社長COOメッセージ

大胆に舵を切り、
目標達成を確実なものに。

取締役 代表執行役社長 COO

成果にこだわり成長をつかむ

このたび新たに代表執行役社長に就任いたしました。世界的企業へと成長を遂げたフジシールグループは、今年124年目を迎えました。近年、IT化の加速や新型コロナウイルスなど予期せぬ変化がグローバル規模で起こり、脱炭素・循環型社会に向けての取り組みが急務になっています。ビジョンや計画の達成はあくまで出発点であり、「実行」と「成果」のために達成すべき3点を掲げたいと思います。1点目は「社会基盤としての既存事業の強化と環境整備」、2点目として「海外展開を進め、海外売上比率を50%に引き上げる」、3点目は「新規事業、サービス事業の推進」です。

変化の著しいこの時代にあって、さらにスピードを重視し、成果へのこだわりで成功をつかめるよう、皆で力を合わせたいと決意を新たにしています。

前中期経営計画を振り返って

2018-2020年度の中期経営計画で掲げた数値目標は、残念ながら達成できませんでした。要因のひとつは、やはり新型コロナウイルスの感染拡大です。外出自粛やテレワークが増え、飲料の需要にブレーキがかかったことが影響しました。ただ、私はそれが逆に良かったと前向きに捉えています。

とくに日本やアセアンでは売り上げが飲料に偏っており、その構造からの脱却が積年の課題となっていました。とはいえ、飲料はボリュームが大きく、お客様のニーズに応え続けることで業績も伸びていたため、状況はなかなか変わりませんでした。しかし、今回、目標数値を達成できなかったことでリスクが実証され、「受け身ではいけない。自分たちからどんどん仕掛けていかなければ」と従業員の意識も急速に変わりました。これで、新たな方向に舵を切りやすくなったと考えています。

成長戦略として掲げていた「5つの基盤力(ものづくり力・開発力・人財力・財務力・リスクマネジメント力)」については、できたこと・できなかったことが明確に分かれましたが、開発力を例に挙げると、アメリカで開発された環境配慮型製品“RecShrinkTM”ラベルは、大きな成果のひとつです。

また、「4事業・4地域・4カテゴリーで“プラス1”」という目標に関しては、インドへの進出とタイの合弁会社の完全子会社化によって南アジアとアセアンへの戦略がしっかり立てられるようになり、医薬分野への足がかりもできました。そうやって、さまざまな局面で次につながる布石を打てた3年間だった、というのが私の総括です。

新中期経営計画のカギを握る3つの事業戦略

まいた種を育て、花を咲かせるのが、新中期経営計画の役割です。初年度となる2021年度の数値目標は、売上高1,700億円、営業利益136億円。最終年となる2023年度は、売上高1,930億円、営業利益193億円を目指します。事業戦略としては、次の3つを新たに策定しました。まず1点目が 「ラベル事業の海外展開加速と収益性強化」。シュリンク事業ならびにタック事業で環境配慮型のラベルでリーダーポジションの確立を図ります。2点目は「一次包装拡大」。高付加価値スパウト付きパウチ容器の創造などを通して、第2のコア事業への成長を加速させます。そして3点目が「新規事業創出」。社会課題や市場の変化に対応することで、循環型環境配慮も含め多様な事業を創っていきます。

また重要な「機械事業」では、新体制によるサービス事業を強化します。機械開発ではアセアン市場向け機械が完成、アセアン、インド市場から世界に広げていきます。「PS事業」では、日本で培ったSCMノウハウを既にベトナムで展開、続いてタイ、そしてアセアン全体に広げていきます。また筑波に着工した医薬新棟はまもなく完成予定です。日本での成功事例を世界に広げ、医薬市場のドメイン拡大を更に加速させていきます。

「人と環境にやさしい価値を届ける」という新たなビジョンのもと、1つ1つの事業戦略を着実に実行することで、目標は達成できると確信しています。

循環型社会の実現と持続的な成長に向けて

今や世界中でCO2排出量の削減やプラスチック使用量の削減が叫ばれ、各国政府も本腰を入れ始めています。そんな状況の中から出てくる環境課題のニーズは、私たちにとっていわばビジネスチャンスです。

日本では、回収したラベルを再びラベルとして再利用する「ラベル to ラベル」のプロジェクトが進行し、アメリカでは、先述した“RecShrinkTM”ラベルがすでに上市されています。これは、「ラベル to ラベル」のさらに先を行く「ラベル to ボトル」。ボトルと一緒にリサイクルし、ボトルとして再生することができるラベルです。こうした環境配慮型の製品を通して循環型社会の実現に貢献し、フジシールグループの 持続的な成長につなげていきたいと思います。

なお、詰め替えから付け替えまで対応するフジパウチ®は、環境省・経産省のプラスチック資源循環法案の概要資料において環境配慮型設計の一例として紹介されています。これは、「一次包装拡大」を事業戦略に掲げている私たちにとって、非常に大きな契機だと捉えています。

強みはお客様とパートナーの存在

グローバル市場をリードする大手のお客様とともにビジネスをしていること。これは、私たちの最大の強みです。そうしたお客様は社会に果たす責任が大きく、常に一歩先のことを考えておられます。それだけに要求されるレベルも非常に高いのですが、その情報をキャッチし迅速に対応することで、私たちは「変化とともに変化する」ことができるのです。

そして、重要なのが、パートナーの存在です。お客様と同じようにやはりみなさんグローバルで活躍され、それぞれに豊富な経験、知見を持っておられます。これまではどちらかといえば、お互い黒子に徹して表に出ることは少なかったのですが、たとえば「ラベル to ラベル」のプロジェクトでは、一緒に開発に取り組んでいただいている企業名を社外に公表しています。これからは一つの「チーム」として、業界を積極的にリードしていこう― そんな決意の表れと言えます。

エッセンシャルビジネスの担い手として仕事に誇りを

昨年、私たちは、「人にやさしいパッケージの開発」「環境配慮型製品の開発」「持続的な成長」など、自社で取り組むべき9つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。しかし、それらをただ掲げるだけでは意味がありません。従業員一人ひとりに「腹落ち」してもらうためにも、さらにブレイクダウンすることが必要だと感じ、今回新たにKP(I 重要業績評価指標)を設定しました。

マテリアリティを達成することで、自分たちの仕事が本当の意味でエッセンシャルビジネスであることを理解し、家族や知人にも「やっぱりパッケージングは大事」と堂々と言えるようになる。何より、フジシールグループで働くことにさらに誇りを持てるようになると思いますし、そう願っています。