ガバナンス

コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンス体制

フジシールグループは、2004年6月と19年も前にいち早く「指名委員会等設置会社」(当時の委員会設置会社)を採用しました。現在でも、この制度を選択する国内上場企業は90社のみです(2023年4月13日現在)。

その目的は、①グループ経営全体に対するガバナンスの強化、②株主・投資家に対する経営の透明性の向上、③各事業会社の業務執行とグループ経営との役割の明確化・グループ戦略の効率と質の向上、④社外取締役の活用による、視野を広げた戦略と変化へのスピードアップです。
指名委員会は、グループの適切な経営体制の構築に資することを目的として、取締役候補者・執行役の選解任について、選任基準等に照らして、検討・決定しています。

報酬委員会は、グループの経営の透明性の確保に資することを目的として、取締役や執行役の報酬について、基本報酬額・インセンティブ額・評価項目を検討・決定しています。指名委員会と報酬委員会は、代表執行役会長(委員長)と社外取締役3名の計4名で構成されています。

監査委員会は、グループの業務の適法、妥当かつ効率的な運営、すなわち年度方針および中長期の経営方針に沿った運営に資することを目的として設置されています。監査委員会は、社外取締役3名で構成しています。

フジシールグループ:コーポレート・ガバナンス体制

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取締役会の構成

取締役会は、独立社外取締役3名を含む取締役6名で構成されており、その多様性にも配慮しています。社内取締役は、経営戦略をはじめとした経営全般、グループ事業会社の責任者、海外事業の運営経験等、多様な経験を有しています。

また、社外取締役はそれぞれ、弁護士、公認会計士、技術開発分野を中心とした安全防災・ものづくりの責任者や上場企業経営者として、豊富な見識を持っています。取締役6名のうち、女性は1名です。国籍は日本のみですが、海外におけるビジネス経験等をはじめ、幅広い分野において豊富な知識・経験・能力を有した取締役から構成されています。

取締役会の実効性評価

当社は、2023年4月に取締役全員に対して「取締役会の実効性評価」に関するアンケート調査を実施するとともに、取締役会はその調査結果および今後の課題について審議を行いました。2016年5月に社内外取締役による自己評価アンケートと外部機関による集計を実施した後、取締役会自身による実効性に関する調査・審議を定期的に実施しています。

今回の調査・審議に当たっては、2022年8月に改訂された「価値協創ガイダンス2.0」を参照した上で、その「ガバナンス」に係るガイダンス項目をテーマとして選定し、現状に対する評価と今後の課題について、意見を集約しました。

役員報酬

取締役および執行役の報酬等の方針、報酬体系、業績連動の仕組みは、報酬委員会において審議決定されています。イ.企業理念に賛同した多様で優秀な人財(人材)が力を発揮し、報奨することのできる報酬制度であること、ロ.持続的な成長にむけた経営戦略に基づく業績目標達成を促す報酬制度であること、ハ.企業価値の持続的向上を促し、株主の皆様と利益を共有する報酬制度であること、ニ.報酬制度の決定プロセスは客観的で透明性の高いものであることを報酬に関する基本方針等としています。

社外取締役を含む取締役は固定報酬である「基本報酬」のみで構成され、執行役は「基本報酬」および変動報酬である短期インセンティブとしての「業績連動報酬」および中長期インセンティブとしての「譲渡制限付株式報酬」により構成されています。

基本報酬水準については、各人の経歴・職歴・職務・職責に応じ、当社の業績・経営環境等を考慮の上決定します。業績連動報酬は各執行役が分掌する部門の業績達成度等に応じて報酬委員会が決定した額とし、報酬総額に占める比率は0%~30%程度の範囲で変動します。算定項目には、単年度の連結売上高、営業利益率や、経営戦略上重要な財務指標のほか、環境指標や人財育成などの非財務指標も含まれます。なお、業績連動報酬が一定額に達した場合は、その一部を当社株式で支給します。
譲渡制限付株式報酬は株主の皆様と同じ価値観を共有し、当社グループの企業価値を持続的に向上させるために、執行役に対する中長期的なインセンティブとして支給します。

報酬の考え方

リスクマネジメント

フジシールグループを取り巻く業務執行上のリスクに対する基本方針および管理体制について、「グループリスク管理規程」を制定し、経営の健全性・安定化と経営効率の向上を図ることにより、株主の利益および社会的信用の向上を目指しています。

グループコンプライアンス委員会は、グループ全体および各地域に潜在するリスクを把握し、取締役会の審議を経て各リスクの重大性をリスクマップにまとめた上で、これに対応する体制を整備することを、リスク管理の基本フレームとしています。このリスクマップを基に各地域で取組計画を策定し、継続的な取り組みを行っています。同時に、当社グループの経営に重大な影響を与える可能性のある不測の事態が発生した場合の緊急連絡網を整備しています。

また本規程に基づき、グループの防災体制・危機管理体制を整備し、想定されるリスクの周知および共有化を進め、リスク発生の際の迅速かつ適切な情報伝達と対応および再発防止に取り組んでいます。

またリスクモニタリング機能として監査委員会の指示のもとグループ内部監査室により実施される内部監査および必要に応じて実施される第三者によるリスク管理体制の監査が実施され監査委員会および代表執行役に報告されています。

取締役会は、代表執行役、監査委員会およびグループコンプライアンス委員会からのリスク管理状況等に関する報告を基に、フジシールグループのリスク管理状況やその実効性を監督・議論しています。

リスクマネジメント・コンプライアンス体制図

コンプライアンス

「フジシールグループ(FSG)倫理綱領」を定めるとともに、グループの役員・従業員全員に「コンプライアンスカード」を配付・教育しています。こうした取り組みを通じて、法令・社内規程の順守のみならず、企業倫理にのっとった行動指針を明確にしています。

また、定期的に「グループコンプライアンス委員会」を開催し、コンプライアンスに関するテーマ・取組事項の設定・啓発活動の実施・計画報告などを取締役会でも行っています。グループの役員は、コンプライアンス宣言書に署名しています。

研修活動

フジシールグループでは、コンプライアンスの推進・啓発活動の一つとして研修を実施しています。2020年度は、次世代の経営幹部候補者に対し、"Code of Conduct"、"Competition and Antitrust"、"Anti-Corruption Anti-Bribery"、"Data Privacy"に関するeラーニング研修を実施しました。

内部通報制度

フジシールグループでは、人権・ハラスメント・贈収賄などの不正行為その他コンプライアンスに関する問題を早期に発見して、適切に対応するために、疑義ある行為等について直接通報できる制度(相談ホットライン)を設けています。相談・通報の窓口として、社内(グループ内部監査室を含む)のみならず、社外の弁護士事務所および外部専門会社にも通報可能です。

相談ホットラインは、秘密保持の徹底と通報者の不利益な取扱いを禁止し、匿名でも利用することができます。また、その通報状況については、コンプライアンス委員会と取締役会・監査委員会で、定期的に報告して、グループのコンプライアンスの向上・リスク管理に役立てています。

コンプライアンスカード
欧州のコンプライアンスポスター
ファミリーフェスティバル

コーポレート・ガバナンスは経営層だけでなく社員一人ひとりへの浸透が大切と考え、社員が経営理念や基本方針を理解し、適切な行動ができるように、さまざまな機会に啓蒙を行っています。
その一つとしてフジシールグループでは創立記念行事に合わせ、国内・海外事業所ごとに、社員とその家族が参加する「ファミリーフェスティバル」を開催しています。
この「ファミリーフェスティバル」の前身は、1985年の「フジシール従業員持株会」創設とともにスタートしたパーティーです。これはただ懇親を深めるだけでなく、家族の方にも会社の考えや歴史、商品、職場、仲間を知っていただく機会としています。

また、従業員が携行するコンプライアンスカードにも「その判断(行動)は、あなたの家族(大切な人)に説明できますか?」の一文を入れています。これは家族に対して説明できる、また家族にサポートしてもらえるようなオープンな経営を続けることが重要だと考えているからです。

2019年5月SxSセンターのファミリーフェスティバルの様子
2019年5月フランスのファミリーフェスティバルの様子
2019年5月ポーランドでのファミリーフェスティバルの様子