環境

環境方針

フジシールグループでは、環境問題が人類共通の重要課題であることを認識しています。明るい未来と住みよい地球環境に貢献するために、2008年より環境方針を定め、環境側面に配慮した事業活動を行ってきました。2021年には環境方針を全面的に見直し、社員一人一人がより多くの環境活動に取り組むとともに、サプライチェーン間の連携を一層推進することで、持続可能な社会の実現に積極的に貢献していきたいと考えています。

環境マネジメント体制

フジシールグループでは、かねてよりCEOの指示のもと、グループ環境基本方針に則りグループレベル・リージョンレベル各々の活動について、相互連携を取りながら環境への取り組みを実施しています。
さらに、CEO・執行役直轄の会議体である「グループサステナビリティ委員会」にて、環境関連の目標設定や進捗状況のモニタリング、達成内容の評価等を実施することで、以前にも増してESG経営を推進します。

環境ビジョン

フジシールグループでは、気候変動・海洋プラスチック問題・資源枯渇を重要な環境課題と位置づけています。これら環境課題の解決のため、製造における環境負荷低減への取り組みを中心とした『価値をまもる』アクションを土台に、主に『価値の創造』に力を入れています。価値の創造の具体的アクションとなるのは『環境配慮型製品の開発・供給』であり、これはフジシールグループが最もお客さまや消費者に貢献でき、持続可能な成長につながるものと考えています。

環境対応製品

価値の創造:環境配慮型製品の展開

フジシールグループでは、長年、お客さまが検討されるすべてのプロセス「創る(開発)」・「作る(製造)」・「売る(販売)」に着目し、ソリューションを提供してきました。今持っている製品だけではなく、お客さまの「企画⇒製造⇒販売」のビジネスサイクルをより深く理解することで、まだ見えていない課題を見つけること、その課題をお客さまと、取引様とともに解決していくことが、今、より一層求められていると認識しています。これは環境に関する課題解決も同様で、下図はそれぞれのプロセスにおいて、『軽量・減量化』『排出物抑制・削減』『リサイクル促進』といった各種課題をみつけ、取り組んできた軌跡です。
今後も環境配慮型のソリューションを提供し続けることで、社会貢献をしていきます。

お客さまのプロセスに着目した環境対応ソリューション
創る(開発)
  • 再生材使用・バイオマス使用・紙の活用などより環境に良い材料への素材変更
  • 薄肉化やパウチ化などの原材料削減
  • 機能性ラベル活用による容器の共通化による容器ロス削減
作る(製造)
  • 梱包形態最適化による資材削減・輸送効率改善によるCO2削減
  • 装着機械における生産性向上・エネルギー削減による廃棄物・CO2等の発生抑制
売る(販売)
  • 消費者が手軽に容器および包材をリサイクルするための機能性向上

環境負荷低減に関する取り組み

フジシールグループでは生態系や地域環境への負荷低減を目指したものづくりに取り組んでいます。 シュリンクラベル、タックラベル、パウチ容器、包材関連機械等の生産を通じ、 環境に優しい製品の開発・生産を目指すと共に、排出される廃棄物、廃液、排水、 排気ガス(化学物質、CO2)を削減し、環境への影響を少なくするための活動 を実施しています。またTQM活動*、アイデアバンクや各種プロジェクトを 通じて広く従業員からアイデアを集めたり、省エネや環境保全などに関する 会議を定期開催するなど、グループ一丸となって取り組んでいます。

TQM:Total Quality Management

  • 気候変動
    に関する取り組み
  • 水資源
    に関する取り組み
  • 廃棄物
    に関する取り組み
  • 化学物質
    に関する取り組み
気候関連問題のガバナンス

FSI取締役会は、気候関連問題を含むサステナビリティ課題について、年4回以上の頻度で審議しており、目標の承認や進捗状況の確認を実施しています。例えば、現中期経営計画(2018年5月発表)では、「廃棄物削減」や「環境配慮型製品の取り組みを行っている顧客への売上貢献」などの目標を定め、環境負荷の低減を目指しています。

地域(日本、米国、ヨーロッパ、ASEAN)を担当する執行役は、気候変動のリスクと機会の評価をふまえて、環境問題対する取り組みを含む事業全体の責任を負っており、事業部門の執行役は、同様の観点をふまえて製造プロセスにおける環境への影響低減を促進する責任を負っています。開発担当執行役は、気候関連のリスクと機会の評価および管理の両方の観点から、年4回開発会議を主催し、環境への影響の低減に寄与する製品の開発を積極的に促進するとともに、それらを監視する責任を負っています。

また、新設した「グループサステナビリティ委員会」では、取締役会に対する具体的な対応方針の提案に加え、取締役会で決定された事項の各地域・事業に対する通達・指示や、各地域での活動内容の評価・支援・促進を行います。

気候関連問題のついての戦略とリスク管理
気候関連のリスクと機会の管理プロセス

フジシールグループでは以下の管理プロセスを用いて事業のリスクと機会を特定しています。
フジシールグループ独自の「リスクマップ」手法やシナリオ分析などを用いて、気候関連のリスクと機会の評価を定期的に実施しています。

リスク管理プロセスの説明:
  1. (1)考えられる各リスクの影響の程度と発生の可能性を評価してリスクマップを作成し、それらの重要性を視覚化。
  2. (2)短期、中期、および長期にわたる経営陣への各リスク項目の影響と発生を推定。 次に、最も重要なリスク項目を特定し、リスク評価の一環としてそれらの優先順位の決定。
  3. (3)完成したリスクマップは、各年度の初めに取締役会で検討・承認され、各部門・地域が承認されたリスクマップに基づいて自らのリスクを管理するための対策を策定・実施。
機会管理プロセスの説明:
  1. (1)毎年度末に、各地域の研究開発メンバーが参加するグローバル開発会議で、各機会の影響と行動の実現可能性をレビューし、顧客/市場のニーズと技術的課題に基づいて主要な機会項目を特定。
  2. (2)特定された主要な機会項目は、取締役会によってレビューされ、グローバル開発プロジェクトとして承認。
  3. (3)残りの開発提案は、地域開発プロジェクトとして関連する地域開発部門によって処理。
シナリオ分析

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環境省のガイドラインに従い、2℃シナリオと4℃シナリオを想定し、経営企画・財務など関係部署が共同で事業への影響度を分析しました。
その結果、温室効果ガス(GHG)排出量削減の重要性が高まり、さらに包装業界に深く関わるプラスチックごみ問題やラベルレス化が顕在化してくると予想しています。対策として、省エネ対策の積み重ねによるGHG排出量削減と並行して、主に印刷での有機溶剤使用量を低減、さらに水性化を図るなど、より踏み込んだ環境負荷低減策が必要であると考えています。

特定されたリスクと機会の例
長期リスク:新たな炭素課税による支出増大
フジシールグループの事業は、新たな規制に関連する法律の改正や廃止、またはそれらの法律に関する規制当局の執行方針の変更によって影響を受ける可能性を認識しています。
新たに炭素税が導入され、$40-100/t-CO2eqが賦課された場合、現在の排出量を維持したと仮定すると毎年7~16億円の支出増加となり、事業に影響を与える可能性があります。
中期リスク:非財務情報開示不足によるレピュテーション低下
気候変動問題を含む環境問題の増大による評判、風評被害へのリスクは特定されているリスクの1つです。
世界の機関投資家及び株主のESG投資への関⼼が高まっており、気候変動への対策が遅れると企業価値の低下を招く可能性があります。
短期リスク:異常気象による被災・供給不能
近年、気候変動により台風や豪雨などの異常気象が増加しています。
特に、豪雨被害の多い日本では、グループ全体の売上高の約60%を占め、名張、筑波、結城、山形、宇部、兵庫と6つの工場を運営し、さまざまな顧客と協力会社を抱えています。これらの地域では気候変動などによる台風や豪雨といった異常気象によって建屋や製品さらには従業員などが被災するリスクがあります。
機会1:低GHG排出に寄与する輸送効率の良い製品の開発・提供によるリソースの効率化
フジシールグループでは、コストを抑え、環境負荷を低減するために様々な面で廃棄物の削減、輸送の効率化によるCO2排出の削減に取り組んでいます。特にフジシールグループおよびお客様の生産と納品の観点から、より効率的な輸送システムの開発などに取り組んできました。このような開発は、気候変動に関連した機会の1つとして認識しています。
機会2:包材と機械のシステムソリューションの開発・提供による低炭素製品需要への対応
フジシールグループでは環境負荷を低減するよう、パッケージを通じて地球に優しい開発を進めております。CO2排出量の少ない製品として、薄肉ラベルやバイオマス原料、再生樹脂を用いたラベルやパッケージならびにそれらに最適なパッケージング機械の開発を行っています。さらには、パッケージング機械の生産効率・エネルギー効率の向上も進めており、機械と包材の両⽅においてCO2排出量削減を行うことで、低炭素製品需要に応えることを機会の一つと考えています。
機会3:低炭素社会実現のためのリサイクル関連取組みによる新市場開拓
フジシールグループでは、技術やマーケットの情報交換を通じて、品質および⽣産性の向上、新製品の開発と新市場の開拓に努めております。近年では気候変動に関連した問題として製品の持続可能性について多くの顧客で検討が始められております。
そうした状況の中フジシールグループでは、再生可能設計製品や関連するサービスによる新市場開拓を機会の一つとして考えております。すでに、製品のリサイクルへ向けた取り組みとしてペットボトルへリサイクル可能なシュリンクラベルの開発(RecShrinkTM)に2019年9月、フジシールグループの米国子会社であるAmerican Fuji Seal Incが成功しました。
気候変動に関する全社目標

フジシールグループでは、気候変動を重要な環境課題の一つとして捉え、全社として中期目標を定めています。段階的な目標の見直しを行いながら、2050年GHG排出量実質ゼロを目指します。

GHG排出量売上高原単位(Scope1+2):2017年 対比6%削減(目標年2023年)
進捗状況
2019年度 GHG排出量の推移

フジシールグループの国内外の主な生産拠点における2019年度のスコープ1・2の温室効果ガス排出量売上高原単位は0.85 t・CO2/百万円となっており、2017年度実績と比較して7%削減しま した。

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フジシールグループでは、開示する GHG排出量ならびにエネルギー消費量の一貫性・透明性・正確性を確保する ため、2019年度報告分から、SGSジャパン株式会社による第三者検証を受けています。

GHG排出量第三者検証
検証基準
ISO14064-3:2006
検証対象
Scope1.2(エネルギー起源GHG排出量)とエネルギー消費量
検証範囲
フジシールグループ24拠点
(国内全13拠点、海外Fuji Seal Engineering およびPAGO Italy除く11拠点)
検証結果
算定および報告されていないと認められる重要な事項は発見されなかった。

検証意見書

取り組み例

GHG削減の具体的な取り組み事例としては、ガスなどの燃料のエネルギー 使用を抑えるため(Scope1)、従来のガス炊きボイラーから印刷工程で発生するVOCを活用した排熱ボイラーへの変更や、よりエネルギー効率のよい印刷機への更新、各種ボイラーにおける断熱処置などによるエネルギー損失を防ぐ取り組みを行っています。
また、電気の使用削減のため(Scope2)、シュリンクラベルには欠かせない温度管理をより効率の良いものとするため、日本・米州の工場では、空調設備を省エネルギータイプへ変更し、日本・欧州の工場では、建屋や設備配管の断熱効率を強化しています。また、全社的に照明設備のLED化等にも取り組んでいます。

フジシールグループは、水資源の保全を目指し、製造時における水の適正な管理および水使用量の削減につながる技術開発・製品の供給に努めています。

水に関する全社目標
水質に関する自主環境基準:100%達成
水使用量削減

フジシールグループでは適正な水資源の管理とリサイクルを推進することで、環境負荷が小さく消費者が安心して使用できる製品の提供に努めています。国内の事業所では生産工程の一部でリサイクル水を使用しています。工場内で使用した洗浄水をフィルターを通してろ過し、10トン/日以上リサイクルしています。

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水使用に関する調査結果

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製造拠点における水リスクの調査

フジシールグループにおける水リスク評価では、世界資源研究所(WRI)が提供している「WRI Aqueduct」を活用し、拠点ごとに渇水などの水リスクの高い地域を特定しています。
「WRI Aqueduct」上で「Overall water risk(総合水リスク)」が「Extremely high risk」と表示される地域を、「総合的に渇水など水リスクが高いエリアである」と定義しています。
2020年調査時には、フジシールグループの生産拠点のうちインドネシア工場の水リスクが高いと判定されていますが、事業に影響はありませんでした。インドネシア工場は2020年末で操業を終えたため、水リスクが高い工場はなくなりましたが、今後も製造拠点における水リスクを把握するため、「WRI Aqueduct」を活用した調査を定期的に実施します。

インドネシア工場における水資源内訳

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廃棄物に関する全社目標
有効利用されない廃棄物:2017年対比10%削減(2025年目標)
廃棄物に関する取り組み例

国内事業所では廃棄プラスチックにおける リサイクル率100%を達成しています。フジシールグループのすべての事業所においても、 可能な限りマテリアルリサイクルを推進しており、プラスチック以外にも紙や溶剤のリサイクルなどにも取り組んでいます。 今後も循環型社会の実現に向けて、環境配慮型製品の設計から廃棄物の適正処理に至るまで、リサイクル率の向上とさらなる廃棄物量の削減を目指していきます。

化学物質排出量の削減に関する全社目標
大気・水質・土壌に関する自主環境基準:100%達成
化学物質排出量の削減に関する取り組み

フジシールグループでは環境に優しい生産技術、プロセスの開発によるものづくりを進めています。例えば、筑波工場ではVOC炉や廃熱ボイラーを利用した熱エネルギー循環システムにより、VOCの大気への排出を防ぐと同時に、燃料使用量の削減を実現しています。さらに、VOC処理装置が整備されていない事業所においても、順次適切な処理システムの導入を計画しています。

外部評価

省エネ法定期報告書に基づく事業者クラス分け制度

経済産業省における事業者クラス分け評価制度にて、省エネ優良事業者として株式会社フジシールは2016年の開始当初より4年連続で最高クラスのS評価企業に認定されています。

CDP

2020年12月08日、株式会社フジシールインターナショナルはCDP2020「気候変動」において、マネジメントレベル「B」評価を獲得しました。また、「水」に関しては認識レベルからマネジメントレベルにランクアップし、初めて「B」評価を獲得することができました。気候変動の取組みと共に、環境経営に関する情報開示を進め、今後もさらなる取り組み強化に努めて参ります。

CDPスコアの変遷

環境関連教育

フジシールグループでは、新入社員を対象とした導入研修や、製造・開発・資材調達など各部門単位の研修、ISO対象事業所におけるISO14001に関する研修の中で、環境関連教育を実施してきました。加えて、2019年度からは、ESGに対して、従業員理解を深めるとともに、各部署での取り組みの活性化のため、全従業員を対象にESG関連の研修を開始しました。上期・下期の年2回を目安に、ESG取り組みの意義・重要性・全社方針への理解を促すため、また具体的な活動を紹介するために冊子を作成し、所属長を通じた説明会を実施しています。

環境関連教育の配布資料