ソフトパウチ事業

好調な日本、米州では新たな動きが

日本では詰め替え用パウチの市場が伸び続けており、2024年度の売上は好調に推移しました。また、生産の効率化が加速したことで、利益面の改善も進みました。日用品の詰め替えパウチ以外の市場開発にも取り組んでおり、飲料向けのパウチに関しては包材に充填するまでを含めて、流通企業のプライベートブランドでの採用が増えています。
海外については、欧米ではまだまだスパウトパウチ製品が少ないのですが、環境に対する社会的背景から徐々にフレキシブルパウチの需要が高まりつつあります。その中で今期は米州で新製品のパウチ受注が増えてきております。欧州でも米州同様に、環境包材のモノマテリアルパウチを協力先と協業して開発に取り組んでいます。アセアンに関しては、パウチ製品が多い中、日本同様に日用品の詰め替えパウチにスパウトパウチ品が採用されることが増えてきています。また、欧米以上にモノマテリアルパウチの需要が高く、当社のパウチも採用され商品化されています。今後は製品開発が進むことが期待されています。

パウチにする“意味”を明確に提示する

市場を拡大していくためには、従来の容器から、フレキシブルパウチに変える“意味”が必要です。例えば、プラスチック使用量の削減やごみの減容化に貢献するということで詰め替え用のパウチの需要が一気に広がったように、お客様や消費者に容器を替えることでどのようなメリットがあるのかを明確にし、それを実感してもらう必要があります。
また、包材面においては循環型社会の実現に向けて、あらゆる選択肢を持っておくべきだ、というのが私の考え方です。すでに単一素材(モノマテリアル)やバイオマス材料などを使用した環境配慮型製品がありますが、さらに、海外において新たな紙のパッケージの開発にも取り組んでいます。

マーケット創出に向けた組織づくり

経営計画「FSG.30」の目標は、既存のビジネスの延長線上では達成できません。そこで、新たなマーケットの創出と開発のスピードアップに向けたチームづくりに取り組むとともに、お客様とのコミュニケーションの中からビジネスのヒントを読み取れる、感度の高い人財開発に取り組んでいます。
2026年には山形新工場が稼働します。フジシールグループの最新工場は「人と環境にやさしい工場」をコンセプトとして、①自動化生産の実現により効率・収益性の高い工場、②生産合理化設備の導入による働き方改革(DX推進)を推進、③経済産業省資源エネルギー庁が推進する環境認証「ZEB」を取得し大幅な省エネルギーを実現する、ことを挙げています。また、この山形新工場で新たな一次包装パッケージの創出に取り組み、事業のさらなる成長を目指しています。

取っ手付きスタンディングスパウトパウチの発売を支援

ファブリックケアのトップブランドであるNEOは、取っ手付きスタンディングスパウトパウチを採用した柔軟剤「Fineline 3.6L」をタイで発売しました。従来の硬質ガロンボトルから柔軟性があり大容量のパッケージへと変更になりました。利便性の観点から、タイの消費者の間で大容量パッケージのニーズが高まっています。Fuji Seal Packaging (Thailand)は、高度な技術と充てん機メーカーとの緊密な連携により、高品質のスパウト付きパウチを供給することで、このプロジェクトにおいて重要な役割を果たしました。

取っ手付きスタンディングスパウトパウチ採用の「Fineline 3.6L」(タイ)