タックラベル事業

欧州の環境対応規制はビジネスチャンス
欧米の市況が昨年比4〜5%伸長と回復基調にある中、欧州では「包装・包装廃棄物規制(PPWR)」が発効され、さらに化学品の分類、表示、包装に関する「CLP規則」が改定されました。この改定によって表示内容の増加やピクトグラムの掲載が必須となり、ラベルサイズなども厳密に決められたため、一見するとリスクなのですが、当社の欧州拠点が最も得意とする多層ラベルやブックレットラベルは対応能力が高く、大きなビジネスチャンスと捉えています。
タックラベルは多種多様な機能付加ができる点が強みであり、環境の変化により早く対応できるパッケージとして、これからもお客様・製品・消費者の結び付きを高める存在であり続けたいと思っています。
事業成長に向け“自前主義からの脱却”を
欧州拠点の統廃合、アセアン市場からの一時撤退、山形工場の閉鎖、製品ポートフォリオの入れ替えといった構造改革への取り組みと、QCDの最大化に向けた改善活動が実を結び、2024年度は事業連結で過去最高の利益率となりました。
「稼ぐ力」がつき、事業基盤が強固になった今、次に目指すのは事業成長です。そこで、日本を皮切りに「タスクフォース」というチームを立上げました。5つのプロジェクトのそれぞれに専任プロジェクトリーダーを配し、戦略立案から実行までの責任と幅広い裁量権を持ってもらうことで成長を促します。また、「自前主義からの脱却」を掲げ、外部パートナーとのアライアンスに積極的に取り組んでいます。開発段階での検証のスピードや質が上がるなど、すでにその効果が出始めています。
さらなるQCD最大化と人財育成に注力
2025年度は「QCD最大化のフェーズ2」として、AIを搭載した革新的な製版技術によるデザイン表現の拡張と、リードタイムの削減に注力していきます。
また、人的資本経営に関する新たな取り組みとして、2024年度から経営陣と従業員が直接対話するタウンホールミーティングや次世代経営者の育成に向けたジュニアボードミーティングを日本で開催しており、今後は海外にも展開していきたいと考えています。
プレミアム感を演出する高加飾のタックラベルを開発
サステナブルな社会へ向けた機運が高まる中、ワンランク上のスキンケア商品にもリサイクル可能な素材を使用することが求められています。こちらの男性向けスキンケアブランドは、トレンドに敏感な40代以上のミドル・シニアをターゲットとしており、シンプルなデザインとリサイクル可能な環境配慮が好評です。
新たに発売されたシミ予防・しわ改善を実現するオールインワンセラムはプレミアム感を演出するため、ゴールドに輝くプラスチックボトルに、エンボス加工とマットニスで風合いをプラスしたタックラベルを開発。水回りでの使用も想定されるため、耐水性・耐内容物性に優れた基材を選定しています。高級なウィスキーボトルのような質感のラベルを目指しました。
