カスタマーエンゲージメントを高める取り組みを紹介 差別化を図るための取り組みアイデアも解説
カスタマーエンゲージメントを高める取り組みを紹介 差別化を図るための取り組みアイデアも解説

カスタマーエンゲージメントは企業と顧客間の親密さなどを示す言葉です。カスタマーエンゲージメントの向上により、企業の継続的な収益を見込めます。カスタマーエンゲージメント向上を図りたいものの、どのように取り組めばよいのか分からないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。本記事ではカスタマーエンゲージメントの概要とメリットを解説しながら、カスタマーエンゲージメントを向上する取り組み例をご紹介します。
目次
01カスタマーエンゲージメントとは

エンゲージメント(engagement)とは「婚約」「誓約」「約束」「契約」などの意味を持つ英単語です。ビジネスにおいては「職場(企業・団体)と従業員の関係性」や「自社と顧客との関係性」を指す表現として用いられます。
使用シーンによって意味合いが異なるものの、「深いつながりを持った関係性」を示す言葉です。
カスタマーエンゲージメント(Customer Engagement)とは、企業と顧客との間に築かれた深い信頼関係や親密さのことを言います。商品やサービスを提供するだけではなく、顧客とのコミュニケーションを通じて顧客のニーズや要望を理解し、適切に対応することによって、つながりを強化します。
02カスタマーエンゲージメントを向上させるメリットとは
顧客をファン化でき、リピート率や継続率が高まる
カスタマーエンゲージメントが高まると、リピート率の向上が見込めます。
顧客をファン化することで、自社の商品やサービスを継続的に利用してもらうことが期待できます。
たとえば、ある物が壊れた場合に、顧客がファン化していれば次の購入で自社商品を第一候補に挙げてもらえるようになるでしょう。
継続的な購入を促進する顧客を育成することで、企業は安定的な収益を見込むことが可能です。
クチコミにより新規顧客獲得に繋がる
カスタマーエンゲージメントの高い優良顧客は新規顧客の獲得にも貢献します。優良顧客が家族や友人など周囲の人に自社商品を宣伝し、他者の顧客エンゲージメントの向上につながります。
SNSの普及により、個人が広く情報を発信できるようになり、一般顧客のクチコミやレビューは広告よりも強い宣伝効果を発揮するケースもあります。カスタマーエンゲージメントの高い顧客は、ある意味これ以上ない広告塔であり、パートナーでもあります。
フィードバックが増え、サービス向上に繋がる
カスタマーエンゲージメントが高い顧客のほとんどはSNSでネガティブなレビューを発信せず、カスタマーサポートに情報提供をしてくれます。このように顧客によるフィードバックは、自社の課題や改善点を把握するきっかけとなり、製品やサービスに反映されることで顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
03カスタマーエンゲージメントが注目されるようになった背景
カスタマーエンゲージメントが注目される背景は、企業が顧客と直接的な接点を持てるようになったことが要因として考えられます。従来とは異なり、様々な形で顧客との関係性を構築できる環境になっています。
従来は小売店を挟むため顧客と接点を持つことが難しかった
従来、音楽はCDで聴き、映画はDVDで観て、食料品や衣料品、家庭用品など何かを購入したいときは実店舗に足を運んでいました。
しかし、ほとんどのブランドを購入する際には、そのブランドの商品を再販している第三者の小売業者を経由していたため、顧客とブランドの直接的な関係を築くことは不可能でした。
アプリなどを通して顧客との接点を持つことが可能になった
近年、多くのブランドがインターネットという新しいデジタルプラットフォームにビジネスを展開する機会を得ています。企業は顧客の購買状況や購買に至るまでの行動をデータとして取得できるようになりました。
さらに、スマートフォンの台頭により、モバイルアプリやプッシュ通知、アプリ内メッセージなどのモバイルチャネルを通じて、企業は顧客に直接コミュニケーションを取ることができるようになりました。
プロダクト以外の部分で顧客との関係性構築が可能に
また、企業はプロダクト以外の部分でも顧客との関係性を築くことが可能です。たとえば、アプリを通じて顧客は自分の好みに合わせた情報を受け取ったり、SNSで企業と直接対話をしたりすることができます。
企業は顧客との接点を通じて、顧客のライフスタイルや価値観や興味を理解し、パーソナライズされたサービスや提案を提供できるようになりました。顧客とのつながりが強化されることにより、長期的なブランドロイヤルティ形成にもつながります。
04カスタマーエンゲージメントを高める取り組みの例
パーソナライズされたクーポンの提供

顧客の購買履歴や閲覧履歴を活用し、特定の商品やカテゴリに適用できるクーポンを個別に提供する取り組みがあります。たとえば、過去にスニーカーを購入した顧客に次回の靴購入で使える20%オフクーポンを送付するなどの方法です。
顧客は「自分のことを理解してくれている」と感じ、ブランドへの好感度の向上や、クーポンを使いたいという動機付け促進が期待できます。それにより顧客のリピート率やロイヤルティが向上といった効果が期待できます。
SNSを活用した顧客参加型コンテンツの配信
顧客が商品やサービスを使った写真や動画を投稿しやすい企画を実施しましょう。たとえば、「#私のお気に入りの○○」というハッシュタグを用意し、投稿者の中から抽選でプレゼントを提供するような施策です。
顧客はSNS上でブランドの企画に参加することで企業への親近感を抱きます。また、投稿されたコンテンツを通じて他のユーザーへの認知も広がり、新規顧客の獲得やコミュニティ形成にもつながります。
会員限定のイベント招待
ロイヤル顧客向けに限定コンテンツや特別なイベントの機会を提供するのも1つの施策例です。たとえば、コスメブランドがVIP会員向けに新商品の使い方を紹介するライブ配信を実施する施策が挙げられます。顧客は「特別扱いを受けている」という感覚を抱き、ブランドへの信頼感や愛着の高まりが期待できます。
特別な体験を通じてブランドとの接点が深まり、長期的な関係構築が可能となるでしょう。
個別のメッセージの送付
個別のメッセージ送付もエンゲージメントを高める手段の1つです。
送付の方法には、購入回数や登録記念日などの顧客の特定行動に合わせて感謝を伝えるメッセージを送る方法や、顧客に手書き風のメールを送信するといったものがあります。
細やかな対応を受けた顧客は「自分が大切にされている」と感じやすくなり、ブランドへの愛着が深まります。またそれにより次回購入の動機付けにもつながります。
顧客とのリアルタイムチャットサポート
トラブル時やサポート通して顧客と接点を持つ機会も、カスタマーエンゲージメントを高める機会と捉えることができます。
たとえば、通販サイトで商品選びに迷う顧客におすすめ商品をリアルタイムで提案するチャット機能を設置する方法があります。
迅速なサポート受けることで企業への信頼感を抱きやすくなるだけでなく、購入前の不安を解消することで購買意欲の向上が期待できます。そうした印象を与えることは購入率の向上だけでなく、トラブル時のネガティブ印象の軽減にもつながります。
05パッケージやプロダクトを活用した新しいカスタマーエンゲージメント向上の形とは
アプリなどのデジタル施策は飽和状態に
上記のようなデジタル施策は、オンライン上で実施できるため比較的多くの企業が既に取り組みを実施しています。既に取り組みを実施している場合、取り組むことによる真新しさは薄れてしまうでしょう。
パッケージやプロダクトを活用した”リアル”の施策により差別化を図ることが可能

アプリやサポートなどオンライン上で完結する取り組みではなく、パッケージやプロダクトを活用したよりリアルな体験によって差別化を図ることが可能です。
たとえば、以下のような取り組みがあります。
取り組み例①:ラベルやコードを活用したインスタントウィンキャンペーン
パッケージに印字されたラベルや2次元コードを活用したインスタントウィンキャンペーンを実施するアイデアがあります。コード番号や2次元コードは通常製品出荷時の管理に活用するものですが、そのラベルやコードを使用して当落を判別する取り組みです。
このアイデアにより、パッケージの2次元コードをスキャンするだけで、即時に当落を判別する仕組みや、パッケージに記載されたコード番号を入力することで、即時に当落を判別する仕組みを構築することができます。
この仕組みは出荷時に読み取ったコード番号や2次元コードと、消費者が入力やスキャンした情報を照合させることで当落を判別しています。製品管理用のラベルやコードを使用するため、通常キャンペーン実施時に必要なコードの封入や貼り付けといった作業の手間も削減することができます。
取り組み例②:”ラベルを切り取らない”応募キャンペーン
商品に貼られたラベルやバーコードなどをはがきに貼って応募することで景品が当たるキャンペーンを、スマホの活用によりデジタル化するアイデアもあります。
従来は実際のラベルやパッケージの一部を切り取り、ハガキに貼る形式のため、ラベルや当落の確認などの手間がかかっていました。ラベルやバーコードを切り取るのではなく、スマホで読み取ることで、オンライン上で当落を確認できる仕組みになり、運営側の手間を大きく削減できます。また、消費者も当落を素早く確認できるようになるため、ハガキ送付の手間による障壁も少なく、参加者数の増加も期待できます。
06「目に見えないコード」で新しいカスタマーエンゲージメントを実現するシステムとは
”Deep IS® プロテクト”は新しいカスタマーエンゲージメントの入口に

現在開発中の‘’Deep IS® プロテクト”は新しいカスタマーエンゲージメントを実現するシステムです。”Deep IS® プロテクト”を活用することで、これまでにない形でパッケージやプロダクトを通じたスマホ対応キャンペーンの展開が可能になります。
消費者が製品をスキャンすると、キャンペーン情報や特典が即座に表示される仕組みは、ユーザーに驚きと楽しさを提供します。さらに、このキャンペーンへの参加は、自動的に商品の真贋判定を行うことにつながります。消費者が楽しみながら真贋判定を行うことで、ブランドの安全性を確保すると同時に、以下の効果が期待できます。
- 顧客との関係性強化
新しい形でのキャンペーン参加と真贋判定という2つの行動を通じて、顧客とのエンゲージメントが深まります。 - ブランド価値の向上
消費者に安全で信頼性の高い製品であることを実感させ、ブランド価値を高めます。
”Deep IS® プロテクト”は、単なる真贋判定ツールではなく、新しいカスタマーエンゲージメントの入口として、消費者とブランドの関係性をより強固なものにする可能性を秘めています。
利便性が高く、低コストで導入可能な”Deep IS® プロテクト”
フジシールインターナショナルは製品のパッケージに発現した印刷のわずかなムラを個体識別する「ステルス個体識別技術」を活用した識別システムを提供しています。
新しいカスタマーエンゲージメントを実現する”Deep IS® プロテクト”は「個体識別技術」を応用し「集団識別技術」を活用することにより、利便性が高く、低コストで導入可能にしたシステムです。”Deep IS® プロテクト”は従来までの個体識別システムと以下の2点が異なります。
- 1消費者にとっての利便性向上
普通のスマートフォンを使って、特別な機器を必要とせずに真贋判定が行える仕組みを提供します。 - 2ブランドオーナーにとってのコスト削減
高価な専用装置を導入することなく、安価で簡単に導入可能なソリューションを目指します。
この技術によりBtoC市場における真贋判定ニーズに対応する革新的なソリューションを提供する予定です。パッケージやプロダクトをそのまま活用し、ブランドの安全性を守るだけでなく、消費者体験を向上させる取り組みを推進します。
Deep IS® にご興味のある方へ
”Deep IS®”の導入事例や製品の詳細については以下のサービスで詳しくご紹介していますので、ご興味のある方はご覧ください。
Deep IS® はフジシールグループの商標または登録商標です。