不正転売の防止対策を解説 不正転売が発覚した場合の対処方法も紹介
不正転売の防止対策を解説
不正転売が発覚した場合の対処方法も紹介

不正転売はブランドイメージの低下や売り上げの減少など企業に大きな影響を及ぼすため、購入制限と顧客管理の徹底や価格の見直しなどを行い、未然に防ぐことが大切です。
しかし、不正転売への対策を検討しているものの、具体的にどのような対策を実施すべきか悩んでいるという声も多く聞かれます。
本記事では不正転売の現状、企業に及ぼす影響やリスク、対策などを解説します。
目次
01不正転売の現状

近年、転売目的で商品を大量に購入し、通常の価格を大幅に上回る価格で販売するケースが増加しています。
消費者が購入した商品を第三者に販売する行為自体は基本的に合法であり、転売そのものは法律に違反する行為ではありません。
しかし、人気商品を大量に購入し、市場の需要バランスを崩して高額で再販するような「不正転売」が増えると、正規価格で購入したい消費者が商品を入手できず、不満や不信感を抱く原因となります。
不正転売の増加により、ブランドや企業は適正価格で消費者に届けることが難しくなっており、消費者の信頼が揺らいでいます。
そのため、商品の正規ルートでの流通を保証し、消費者が安心して購入できる環境の構築が必要です。
02不正転売が企業に及ぼす影響・リスクとは
不正転売により企業はブランドイメージの低下や売上の減少などの影響を受ける可能性があります。影響やリスクを知り、企業単位で不正転売への対策に取り組む必要があります。
ブランドイメージの低下
転売された商品は製造元企業が品質を保証できないため、品質問題が発生しブランドイメージの毀損につながる可能性があります。
転売業者は販売後のアフターフォローを行わないため、購入者が不具合を発見した際には対応できず、結果として企業への信頼が損なわれる可能性が考えられます。
特に、正規品としての補償が受けられないケースが多いため、購入者の不満が増す要因となっています。
売上の減少
転売により、企業は本来の売上機会を損失する可能性があります。
例えば、キャンペーンやまとめ買いによって割引価格で購入された商品が定価で転売された場合、企業が得るべき利益の損失につながるでしょう。
加えて、割引価格で提供している定期購入商品が転売市場で割引価格以上に安価で販売されている場合、消費者は正規の販売ルートを選ぶ意味を失い、流通網に隙ができることにより品質管理のリスクが生じます。
このような状況が続くと、転売の増加に比例し、企業の売上やブランド価値に悪影響を及ぼすことが懸念されます。
流通網に隙が出来、品質管理リスクが生じる
プロの転売業者は転売に適している商品をリスト化し、情報商材として他の業者にも提供しているケースが一般的です。
リストに自社商品が含まれている場合、仕入を目的とした購入が増加し、企業にとっても深刻な問題に発展します。
転売しやすいと認識されると、ブランドイメージの低下や被害の拡大にもつながりかねません。転売を発見した段階で迅速な対応が求められます。
03不正転売を未然に防ぐための方法

不正転売を未然に防ぐための方法には「購入制限と顧客管理の徹底」「価格と割引の見直し」「申し込み画面での心理的抑止策」などが挙げられます。それぞれの対策の内容を理解し、組織全体で対策に取り組みましょう。
購入制限と顧客管理の徹底
顧客の購入履歴を確認し、転売の疑いがある場合には購入を拒否することが重要です。
また、一度に購入できる商品数を制限することで、転売業者の買い占めの防止にもつながります。
転売を目的として狙われやすい商品の発売日には整理券を配布し、一人一回の購入に制限をかける対策も有効的です。
加えて、顧客情報を照合し、同一人物による「なりすまし」の防止により、複数アカウントでの購入を押さえる対策もあります。
価格と割引の見直し
初回購入割引を行っている場合、特別価格を低く設定し過ぎないことも重要です。
また、初回と二回目以降の価格を同じ価格に設定することで、割引商品を購入して通常価格で転売されることを防ぐこともできます。
さらに、転売業者が初回価格に目をつけにくくするために、ライティングページに具体的な価格を記載しない工夫を施す方法もあります。
申し込み画面での心理的抑止策
申し込み画面や確認画面には、転売や不正行為への対策や警告文を表示する工夫も効果的です。そうしたメッセージを明記することで顧客に対して転売行為が許可されていないことを明確に伝えられます。
また、転売禁止の文言を読んだことを確認するためのチェックボックスを設置するのも1つの抑止策になります。
顧客が自らの行動に対する認識を高め、転売を抑制する心理的な抑止効果が期待できるでしょう。
04不正転売が発覚した場合の対処方法

前述した対策は不正転売の減少につながるものの、不正転売をなくす上では不正転売減の特定と撲滅を行う必要があります。
具体的には以下の流れで進めます。
自社製品であるかどうかを確認
まず不正転売が疑われる場合、不正転売品と思われる製品が販売されているサイトでの製品を購入します。
製品についている2次元コードやRFIDのような識別情報を確認し、自社から出荷された出荷時の識別情報と照合を行い、自社製品であるかどうかの確認を行います。
流通経路の確認
自社製品が不正転売されていることが確認できたら、流通経路を確認します。
エンドユーザーに製品が届くまでの間に経由している事業者に識別情報の確認を依頼します。依頼する経由事業者は物流業者や卸売事業者、販売店などを対象となります。
識別情報の登録が確認できない事業者を発見した場合、登録が確認できなかった事業者の前で不正に製品が流出している可能性が高いです。
不正転売源の特定・不正転売の撲滅
正規ではないルートでの流通が発覚した事業者があった場合、原因の追究を依頼します。
製品の流出が事業者ではなくエンドユーザーの場合、個人情報の保護に配慮しつつ、顧客に会員情報の確認と共有を依頼します。
05識別情報が確認できない場合の特定方法
上記の流れをトレースすることで、不正転売元の特定を進めることができるものの、不正転売品は特定を逃れるために、2次元コードやRFIDのような識別情報を切り取って出品しているケースも珍しくありません。
そういった場合、2次元コードやRFIDのような識別情報に頼らず、トレースできる仕組みを整える必要があります。
具体的には以下の技術を活用します。
「デジタル指紋」を読み取り、製品を識別する技術の活用

従来、製品管理には2次元コードやRFIDなどの「可視コード」を使用した管理が一般的でした。しかし近年では「可視コード」ではなく、製品のパッケージ自体を識別できる製品管理技術が登場しています。
同じデザインを印刷したパッケージであっても、印刷時に人の目では識別不可能なレベルで自然発生的に発現するわずかなムラがあります。
そうした印刷のムラは指紋のように1つとして同じものはなく、印刷のムラを撮像し識別することで、製品を1つ1つ個別に識別することが可能です。
その技術を活用することで2次元コードやRFIDなどの「可視コード」を使わない形で製品情報を管理することができます。また、仮に可視コードを切り取られた場合であっても、デジタル指紋によって別で製品管理を行っていることにより、製品のトレースが可能となります。
06不正転売対策を行うシステムとは
”Deep IS® システム”で「デジタル指紋」を活用した製品トレースを実現
フジシールインターナショナルは不正転売元特定のための製品とレースを実現する”Deep IS® コネクトシステム”を提供しています。
”Deep IS® コネクトシステム”は印刷のわずかなムラを識別できるため、2次元コードやRFIDといったコードを使用しなくても製品ごとの個体識別が可能です。不正転売時に切り取られるケースが多い可視コードとは違い、不正転売が発覚した際に流通ルートのトレースや不正転売元の特定が可能になります。

撮像用マイクロスコープとPCで導入可能
”Deep IS® システム”はパッケージを撮像するマイクロスコープと製品情報を管理するパソコンがあれば容易に導入できます。
商品ピッキングの際に登録を行うことで現行の出荷・流通工程のフローを大きく変えずに比較的容易に導入できます。
Deep IS® システムにご興味のある方へ
”Deep IS® コネクトシステム”の導入事例や製品の詳細については以下のサービスで詳しくご紹介していますので、ご興味のある方はご覧ください。
Deep IS® はフジシールグループの商標または登録商標です。