aPT事業

未来容器への創造とチャレンジ

「FSG.30」は非常にアグレッシブで既存延長路線での思考回路では難しく、そういった意味で創造とチャレンジをいかに発揮していくか、実現には一人ひとりの考え方、行動が重要と考えています。実にワクワクできる目標だと思います。我々の部門は新規事業での貢献が大きく期待されている部門であり、現行4事業とは別に新たな事業の柱を構築していく必要があります。
フジシールはプラスチックフィルムをうまく使いこなした包装材料で、これまで大きく発展してきました。しかし近年の環境意識の高まりで飲料PETボトルにラベルレスボトルなどの容器もでてきており、大きな危機と捉えていますが、必ずそこにチャンスはあると信じています。ボトルレスラベル容器というコンセプトをaPT事業の未来容器として実現させ、「FSG.30」実現に向け貢献していきます。

我々の目指す未来容器とは

CO2排出による地球温暖化問題、プラスチックごみの海洋汚染問題など包装容器を取り巻く環境は年々厳しくなってきています。こういった状況で欧州、米州などは包装容器の規制をしようとしています。グローバルでの規制を進める動きも出てきています。我々はこういった動きを重要視していますが、できることをやるのではなく、やるべきことをストレッチしてでも実行することが重要です。プラスチックの課題は石油由来樹脂を使用することです。理想的にはプラスチック容器をすべて回収し、クローズドリサイクルできれば石油由来樹脂を使用せずにすみます。
aPT事業では未来容器として①化石燃料を使用しない樹脂、②樹脂を極力使用しない容器、と定義付けして開発を進めています。
①の「化石燃料を使用しない樹脂」は、クローズドリサイクルできるという意味では、メカニカルリサイクル/ケミカルリサイクルの技術が確立されているPET素材と考えられます。
②の「樹脂を極力使用しない容器」とは、リジッド容器ではなく、フィルムで構成されたフィルム容器と考えます。つまり未来容器とは「PETフィルムで構成された容器」ということになります。

PET樹脂を自由にコントロールするコア技術

PETフィルムで容器を作るには高度なコア技術が不可欠です。PET樹脂は温度域により性状が大きく変化するので、容器製造にはそれぞれの温度域の樹脂特性をよく把握してコントロールしなければなりません。
PETフィルムを容器にするには3つのコア技術が必要です。1つ目はフィルムの層構成です。低温落下、耐圧強度などの物性をクリアし、使い勝手向上を考慮した設計が必要です。2つ目はフィルムを3次元の容器にするための溶着技術で、容器形態にするため重要なコア技術です。3つ目はフィルムと成形物を溶着する技術です。容器には吐出口などが必要でフィルムだけでは完成せず、ノズルなどと溶着する技術が必要です。
aPT事業ではこれら3つのコア技術について開発が完了しており、今後この技術を使用した未来容器を世の中に出していく予定です。リサイクル樹脂を使用してPETフィルム容器を製造し、使用後は回収して再度容器へ戻すクローズドリサイクルスキームを併せ持ち、環境価値と消費者価値の両方を満足できる真の未来容器と言えます。