Deep IS事業

Deep IS(ディープ・アイズ)事業でグローバルに「FSG.30」に貢献

Deep IS®は、印刷物に自然発生する微細な違いを見極める個体識別技術です。自然発生する違いを活用することから人工的な複製は極めて困難であり、究極の個体識別技術と言えます。従来にない考え方ということもあり、技術的にも用途的にも開発中の段階ですが、フジシールグループ初のデジタルサービスのチャレンジとして、しっかりと根を張るビジネスに育てます。2025年度中に国内外でサービスを立上げることでグローバルに「FSG.30」に貢献するとともに、経営理念の体現をデジタルサービスという新しい形で行っていきます。

スイス生まれのアートの贋作防止技術

Deep IS®はスイスの発明家がアート作品を贋作から守るために発明した全く新しい個体識別技術です。フジシールグループはこの技術の印刷物への応用の可能性に着目し、2019年より開発を後押ししてきました。日欧でワークの結果、2021年に欧州の切手の模倣品対策で、また2023年には日本の化粧品の不正転売対策として、ビジネスがスタートしました。Deep IS®は、印刷物に自然発生する再現不可能な微細な違いを見極めることから究極的な個体識別と言えます。この見極めのためには深い洞察力(Deep Insight)が必要となるので、「Deep IS®」と命名しました。この違いを見極めて情報を登録の上、サーバーで保存し必要な時にその情報を呼び出す仕組みとなっています。

Deep IS®の活用法

Deep IS®の主たる用途は模倣品対策と不正流通対策です。特に模倣品被害は世界的には50兆円を超えるとされる大きな問題で、日本においても海外で作られた模倣品が流入しつつあります。また、不正流通は化粧品を中心に拡大が続いており、消費者の安全性を損なうリスクが拡大しています。これらの背景となるのがeコマースの拡大であり、ショッピングの利便性のトレードオフとしてこれらの問題が顕在化してきました。現在、Deep IS®は化粧品、文房具、医薬品、システムの用途で各種共同開発や実証実験を進めています。昨今の風潮によりブランドオーナーの皆様が直面している問題は多岐にわたり、その解決方法もさまざまです。お客様が求める信用性や運用面の課題やコストを鑑み、ベストのソリューションを提供していきます。

Deep IS®の可能性

Deep IS®は識別技術なので、その特徴を生かすことでさらなる社会課題の解決に役立てると考えます。もちろん、その実現のための技術開発も必要になりますが、まずはその課題を見つけるために多くのさまざまな業種の方と交流を続けています。すでにいくつかヒントを得ていますが、さらに交流を重ねることで、まだ世にない社会課題解決をしていきたいと考えます。Deep IS®にはその可能性があると信じています。
また、個体識別技術の延長線上で集団識別の技術の確立を考えています。この実現は模倣品対策パッケージを運用面・コスト面で根本的に変えるパワーがあると考えます。日本で技術確立を行った上で、模倣品被害で困っている東南アジア、西南アジアでの展開を視野に入れて製品開発を進めていきます。DeepIS®の進化にご期待ください。