CMO事業

グローバル視点での医薬品供給体制への貢献
医薬品製造受託(CMO)市場は、医療費抑制や創薬モダリティの多様化を背景に、世界的に成長を続けています。特に希少疾患や再生医療向けでは、小ロット・多品種への対応力が求められ、柔軟な検査・包装体制を持つ企業の重要性が高まっています。
当社は、こうしたニーズに応えるべく、包装技術と品質管理の知見を生かし、製薬企業が直面する「ドラッグラグ」や「ドラッグロス」の解消に取り組んできました。2024年度にはCMO事業として30億円を超える売上を達成し、確かな成長の第一歩を踏み出しました。
今後はこの実績を基盤に、検査・包装ノウハウを海外市場にも展開し、グローバルな医薬品供給体制の一翼を担っていきます。
成長のカギ:信頼とスピードをどう確保するか
CMO市場の成長には、「信頼の獲得」と「スピード感のある対応」が欠かせません。製薬企業からの委託においては、GMPに準拠した品質保証体制、査察対応の実績、安定した供給力が求められます。
今後は、外資系製薬企業やバイオベンチャーの日本市場参入を見据え、当社もグローバルの製薬業界での実務経験を持つ人財への投資を強化してまいります。その一環として、製薬業界やCRO※業界の経験を持つ人財の採用を進め、薬の開発段階から顧客と協業体制を構築していきます。また、製造・品質部門の責任者として、FDAやPIC/Sなど国際的な基準に対応可能な専門人財を採用しています。
※CRO(Contract Research Organization):医薬や医療機器の開発業務受託機関
成長戦略:アライアンスとM&Aの融合
当社のCMO事業は、検査・包装に特化したニッチ領域で競争力を確立しながら、外部アライアンスとM&Aの両軸による事業拡大を戦略的に推進しています。
外部連携においては、CROとの協業を通じて、早期の開発段階から製薬企業への提案を行う体制を構築、またGDPに対応した外部パートナーとのアライアンスを積極的に展開しており、「検査・包装 → 保管 → 流通」に至るまで、一貫したワンストップサービスの提供を可能としています。
特に医薬品卸・物流企業との連携は、グローバル市場に対応する供給インフラの強化に繋がり、バリューチェーン全体の最適化と付加価値創出に貢献します。
M&Aでは、低分子・バイオ医薬品の二次包装に強みを持つ企業を対象に段階的な買収を進め、即戦力の人財・設備・ノウハウを取り込みながら、持続的成長の基盤強化を図っています。

海外展開と未来への布石
海外市場の需要拡大に対応するため、現地製薬企業との技術提携や、医薬品流通ネットワークを持つ企業との合弁による拠点設立を視野に、事業の国際展開を進めていきます。
さらに、社内のラインエンジニアリング部門と連携し、AI技術を活用した次世代型検査装置の開発にも着手。品質・スピード・効率を兼ね備えたグローバル対応型の検査・包装モデルを構築していきます。
当社CMO事業は、医療と社会にとって不可欠な存在を目指し、今後も挑戦と成長を続けていきます。
